母親問題と月と冥王星のコンジャンクション

月と冥王星が結びつくとその人の中で、

こだわりの感情が形成され易くなりますが、

幾度となく、固有の感情を強く主張して

失敗したと感じられる様な体験を

重ねなければ、自分がどんな感情に

こだわっているのか、支配されているのか

自覚出来ません。

激しく主張することを重ねて、それまで

隠されていたものが、少しずつ

明らかになります。

あくまでも少しずつです。

そのようなプロセスを経て次第に新しい

状況が生み出されていくのですが、

月と冥王星がコンジャンクションだと、

その作用が恐ろしく激しくなります。

このアスペクトを持つ者は、感情を

ギリギリまで隠して(我慢して)、一気に

放出してしまいます。

その力は周囲を強制的にコントロールしたり、

関係性を破壊したりすることになるのですが、

一度動き出すと短い期間で作用するので、事件、

事故という表現と似たようなものになります。

しかし月と冥王星のコンジャンクションを持つ人は、

その様な状況でこそ意識がクリアになる感覚が

働くので、本人的には必要なことなのかも知れません。

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激しい身体的トレーニングや危険な要素の強い行動を

行うことで、意識を明確にする人もいます。

日常的な状態にいると意識が埋没しそうな倦怠感に

襲われ易く、それらを払しょくするために意識的に

危機感を感じる状態を作り出すのです。

(無意識の場合は前述の通りトラブルの様相を

帯び易くなります。)

しかし、その様な行動は月と冥王星の

コンジャンクションへの対処療法的態度で、

本質的なアプローチではありません。

このアスペクトが日常的なぼんやり感と覚醒を、

思い出したように繰り返すのは、母親との

根深い問題が引き金になっていることが

多々あります。

本人さえも自覚出来ないレベルで、問題が

横たわっていて、それを認識するために

かなりの数のトラブルを経験するのです。

月と冥王星のコンジャンクション(0度)を持つ人の

意識の消失と覚醒のリズムはその人のチャートの

バランスで異なりますが、意識が消失に対抗する

力を手に入れるまではなぜ自分の意識が

消え入りそうになるのか全く分かりません。

どの天体がコンジャンクションの状態になっても、

かなり無意識的に働くのでその作用の原因を

自覚することは、ほぼ困難なのですが、

月はそれ自体が幼い時に形成される情感と

関係するので、他の天体とコンジャンクション

の状態を取ると余計に分かり難いのです。

そしてその最たるものが冥王星だと思います。

月と冥王星のコンジャンクションがある人が、

ある種の興奮であったり、過剰な刺激でないと

満たされ難いのは忘却したい記憶と言うよりも、

母親ないし、母親的なものとの関係性の在り方に

本人にとって嫌な要素があるからです。

本当は母親が嫌いという感情に気付きたくない

ために、日常的に意識を消失します。

(意識の消失とは気絶のような突然のものではなく

次第に覚醒の程度が落ちていくもので、周囲の

状況に対する曖昧な認識に繋がります。)

感覚の鈍麻を無意識に選択をするのだと思います。

しかし、これは別の問題を生じることになって、

自分の感情を明確に把握するのが難しくなります。

結果的に何らかの刺激、原因で気分が高揚

したときに、はっきりと自分という存在を

感じるような体質になります。

仮に刺激や原因の要素を把握して利用しても、

行動の主体をそれらに奪われるような形になるので、

同じような精神的な立ち位置に留まることに

執着すべきでは無いかも知れません。

冥王星自体の性質である行けるところまで

行ってから変化する傾向に素直に身を任せて

変化することを恐れなければ、その人の月が

持っていた本来のテーマが自然と見えてきたり、

それまでの体験的要素が統合されて自己理解が

深まったりすることが多いようです。

月と冥王星のコンジャンクションの現実的な

課題は母親からの自立です。

月を冥王星的に無意識レベルでコントロール

されるために、本当の意味での内面的な成長が

難しくなります。

意識の消失は生きている人間にとって

感情の鈍麻ですが、心地良くもあるのです。

曖昧な意識から覚めることは、ある意味辛いこと

であり、本当の自立の始まりを意味します。

目覚めてから初めて、能動的に冥王星のパワーを

利用出来るようになるのです。

コンジャンクションは、良くも悪くも働く

可能性の高いアスペクトですが、意識を

明確にして一段高い状態(月サインの良い面が

出るように情緒的な部分を引き上げること)を

目指すことで善い部分を引き出せます。

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