書きましたが、第12ハウスの月の持つ希望は
必ずどこかの時点で絶望に変わります。
それは母性と言うか、母なるもの(者ではない)を
無意識に美しく描き過ぎることで生まれる幻想が
どこかで崩壊するしかないからです。
これは第12ハウスの月が持つ脆弱性を
守ってくれる母性的な存在を思い描くことから
生まれるものなのですが、そのようなものは
無いということをどこかで気付く時が来ます。
気付くだけなら大したことはないのですが、
第12ハウスの月があるタイプの人にとって
月は愛情でもありますから、自分の存在を
かけて自分が作り出した第12ハウスの月の
幻想に対して努力してしまいます。
なぜなら努力しないということは
「愛はない」ということを意味するからです。
まだ理性で理解しているなら良いですが
これが無自覚のうちに行われますから
気が付いた時には絶望(愛はないという認識)を
受け入れるタイミング待ちのような状況になります。
本当は愛がないのではなく、母なるものを、
女性性を高く思い描き過ぎたせいだけなのですが、
安心感と深く結び付いているので仕方がありません。
なぜなら愛に対する幻想はどのハウスの月でも
描きますし、そのイメージを太陽サインを
通して実現しようとします。
第12ハウスの月はたまたま運が悪いというか
支配星である海王星の影響を受けて、現実的ではない
幻想の度合いの高い愛を思い描いてしまいます。
第12ハウスの月が描いた幻想を優しく現実に
着地させることは難しいです。
正直に、率直に取り組めば取り組むほど絶望します。
他人に嘘を付けば非難されます。
自分に嘘をつけば傷付きます。
最終的には第8ハウス的世界で愛についての理解を
変えていくしかありませんが、それ以前のハウスも
全て使って少しずつ修正を加えていくことになります。
それは幻想を得る高揚感と現実に直面することで
生まれる幻滅や諦観の繰り返しですが、最終的には
第12ハウスの月が描く幻想を喚起させる方法を
その人なりに身に付けます。
これは他のハウスの月と比べるとかなり長い道のり
ですから、まっすぐに愛だけを見詰めていると
現実が滞るかも知れません。
ホロスコープ全体のバランスによりますが、
それぞれに一長一短あります。
真っ直ぐ幻想に向かっていくことでしか見られない
感じられない愛もあれば、優しい嘘を積み重ねることで
人らしい気持ちを維持し続けるという選択もあります。
どのような選択をしてもその人にとっては
それが愛になります。