ある娘の物語(母親と娘、娘を飲み込んだ霧)

最後まで娘だった娘の物語について書いています。

引いたカードは、以下の通りです。

1枚目のカード

カップの7の正位置

1枚目のカードは、このタロット占いの過去や動機を表しています。

2枚目のカード

隠者の正位置

2枚目のカードは、このタロット占いの中心となるものです。

3枚目のカード

カップの8の逆位置

3枚目のカードは、2枚目のカードの先の状態を表しています。

4枚目のカード

ワンドのクイーンの正位置

4枚目は、対策カードになります。

5枚目のカード

カップのナイトの正位置

5枚目のカードは、本音部分を表しています。

6枚目のカード

ソードの8の正位置

6枚目のカードは、本音部分を表しています。

7枚目のカード

力の逆位置

7枚目は、このタロット占いのまとめ的なカードになります。

娘の物語

いつまでも娘は、母親の娘では、ないか?と思われる

かも知れません。

しかし、どこかで母娘の関係に境界線が引かれなければ、

娘の精神的な葛藤は、大きくなります。

この物語の娘は、最後の最後まで、そのような自分自身の線を

引くことが許されませんでした。

母親自身が許可しなかったと言うよりも、母親自身が、

そもそも、そのような世界(このタロット占いの中心となる

2枚目の隠者の正位置)に生まれ付いていたのかも知れません。

母親自身と隠者のカードは、重なり合っていたのかも知れません。

だとすれば、当然、母親は、愛情として、同じ世界で生きることを

望んだでしょう。

娘は、母親と同じ道を歩みたくても、同じ精神的世界(隠者のカード)

では、生きることは、拒否した(7枚目の力の逆位置)のかも知れません。

母親自身が自分自身と重なっている世界を拒否した過去があった

(7枚目の力のカード)ように読めます。

そして、やはり、それを拒否することに失敗したのです。

しかし、母親自身は、娘とその過程が異なったと読みました。

母親自身は、最初、拒否することに成功しましたが、本当に自分自身が

困った時に、それ(このタロット占いの中心となる2枚目の隠者の

カード)に頼ったのです。

ですから、もう絶対に、その隠者のカードに逆らうと言う選択肢は、

なかったのです。

それは、娘にとって聞く耳を持たない、母娘の関係を押し付けてくる

悪い母親でした。

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娘は、かつて母親が、そうであったように、精神の探求を意味する

隠者のカードと自分自身の間に実力で境界線を引こうとしました。

自分(娘)は、自分であって何らかの精神的価値(隠者のカード)とは、

別の存在として生きていくということでしょう。

そのように生き方を積極的に肯定するための結婚もしましたが、

やはり、娘は母親の娘であり、娘がどんなに頑張って境界線を

引いても何かが忍び込んで来ることを止められませんでした。

このような現象は、そのような環境で育った人にしか分からない

ものであり、物理的に離れていても、簡単に言えば、親が突然、

部屋に入って来るような恐怖心を持っているものです。

もしそれが、1枚目のカードであるカップの7の正位置のような

隠者のカード(何らかの精神的価値)であれば、どんなに高い

壁を築いても、小さな穴から霧のように侵入してくるような

怖さがあるでしょう。

この霧に包まれることで現実と幻想の区別が付きにくく

なっていきます。

その時に母親が娘に、その霧の世界を現実だと思えば、何もかも

上手くいくと言ったかも知れません。

そのようなやり取りが何度もあったかも知れません。

霧は、ある時期、娘の周囲から引いたかも知れませんが、薄くなった

時期もあったかも知れませんが、娘自身が母親と似たような生き方を

選んだ以上、あちこちで霧を見る機会があったことは、想像するに

難しくありません。

母親が言う通り、霧は、幻ではなく現実に人を惑わす力があるのです。

それでも娘は、自分自身の信じる道を生きようとした(ソードの8の

正位置)のかも知れません。

自分自身を貫いたから、と言うよりも、自分自身が自分らしく

生きるために(母親との関係性に健全な境界線を引くために)

譲れないこと(見なかったことには、出来ないこと、知らなかった

ことには、出来ないこと)があったのかも知れません。

娘の母親は、娘が霧に飲み込まれたことを知っているのです。

それは、過去に自分自身を助けてくれたはずの霧です。

正確に言えば、取引だったのかも知れません。

やはり、母親が娘に言っていたように霧は、幻想ではなかった

のでしょう。

しかし、娘にとっては、最後の最後まで、霧は、幻想だった

のかも知れません。

娘は、霧が発生する装置に囲まれていました。

そして疑うことなく信頼出来る人から差し出された飲み物を

口にして静かに意識を失う、そっと白い世界に置き去りにされました。

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