彼の物語(純粋な魂)

彼は、素直に疑問に思ったことを特定の誰かに尋ねたのだ。

性格が真っ直ぐ過ぎたのかも知れないし、優しすぎたのかも

知れない、否、その両方だろう。

彼自身がソードのクイーンの正位置なのかも知れない。

全てが2020年だけの問題であれば、木星とベスタのス

クエアや冥王星とベスタのセキスコードレートの意味が

軽薄に読めてしまうけれども20代前半だとしたら、純粋な

若者が真っ直ぐに疑問に感じたことと向き合っただけのことだ。

金星期と太陽期の切り替わりは、多くの若者が何かと真っ直ぐに

向き合い、そして失望することを経て社会の中で自分の居場所を

見つける過程に入っていく。

失望しなければ、自我は子供のままで、どこにも社会の中に

居場所を見出すことは、不可能になる。

間違いなく彼は、誰の目から見ても逸材だったから、大人に

なるまで二人のお目付け役を付けることにされた。

一緒に仕事をする先輩たちに、連れられて、あちこち出入りする

ことで、先輩たちとの様々な会話を通して、大人になってもらおうと

彼の事務所は思ったのだ。

しかし、彼の性格をしっかりと読んでいくと、それは、彼の根本的な

性質であって決して成長を拒んでいたわけではない。

彼は、仕事を通して自分自身のアイデンティティーを作り、それと

同時に精神の最も柔らかいところで、それまでよりも新しい何かを

付け加えていくタイプの人だっただけだ。

言い方を変えれば、彼のいた事務所で求められる大人像と彼の本質は、

かけ離れていた。

しかしお金のために親は、そこを辞めることを反対した。

彼がお金のために自分自身が辞められる立場にないことを知ったのは、

辞めたいと誰かに告げてから、かなり後だった。

どうしたら辞められるのか?。

条件を詰めて約束したけれども、それでも事務所は、再契約を求めてきた。

彼は、自分自身の借金ではないことを盾に、親と縁を切れば、そのような

影響を法的に免れることが出来ると判断した。

約束を守ってくれないのだから、当然の結論だったかも知れない。

しかし素直で正義感が強く多くの人から愛される彼を野放しにすることは、

事務所にとっては、リスクでしかなかった。

いつかは、大人になってくれるだろうとお目付け役を付けて7年も待った

けれども彼は孵化しない繭みたいなものだと、ある世界の大人たちは、

判断したのだ。

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