「闇の中で上下運動するもの」という象徴
1. 象徴の核心:上下運動するもの
「闇の中」
闇は未知や隠蔽されたもの、見えない力、または抑圧された真実を象徴しています。社会的に表に出ない問題や、人々が目を背ける現実を示します。
「上下運動」
この動きには、対立する力(光と影、上昇と下降、希望と絶望)が同時に存在しているダイナミズムを感じます。特定の人々や現象が引き上げられる一方で、闇に押し込まれる力学が働いていることを意味します。
2. 象徴が描く「美しい人」の運命
「美しい人」は、輝きを持ち、目立つ存在です。しかし、その輝きが、嫉妬や利権、権力構造の暗い側面に飲み込まれるリスクを伴います。
闇に押し込まれる理由
「上下運動」の闇の力は、社会構造の歪みを象徴しています。利権や癒着の中で、光を放つ存在が疎まれ、抑圧されることがこの運動に表現されています。
希望と絶望の間
上昇と下降を繰り返す運動は、美しい人が完全に消え去るのではなく、再び表舞台に引き上げられる可能性をも秘めています。この「再生の可能性」こそ、物語の中で光を見出す重要な要素になります。「上下運動」の力に巻き込まれ、闇の中から真実や希望を見つけ出す過程とも言えます。この象徴はマルクトにも共鳴します。特に、利益を扱える仕組みや、それに集まる個人や組織、メディアや強い働きの暗部の作用によっていなくなってしまう人々の物語も含むかも知れません。闇に沈むように見える人々が実際には光を持ち、社会に問いかけるメッセージは、美しい人のソードのクイーン(光)になります。この象徴を通じて、ただ消えていくだけでなく、再びその声や存在が復活する可能性もあります。
美しい人のタロット神話:生まれ変わった美しい人
序章:喪失と転生
かつて、世界を照らす光そのものだった“美しい人”がいた。彼の存在は希望であり、理想そのものであった。だが、その輝きは、利権と癒着の闇によって消されてしまった。彼を追い落とした者たちは、彼の名を歴史から抹消し、存在すらもなかったものとしようとした。しかし、完全に消えることはなかった。その魂はケテルの頂点へと昇り、神聖な力によって新たな存在として再び転生を果たす。だが、この転生は二重であり、魂は分裂した。一つは上位のマルクトに降り、正義の象徴として再び現れる。一つは下位のケテルを経て、堕落したマルクトに転生し、憎悪と復讐の塊となった。彼の魂は、光と影の二極に分かれ、それぞれの目的を果たすために歩み始める。
第1部:上位のマルクトでの試練
正義の美しい人は、かつて自分を消した利権と癒着に立ち向かうことを使命とする。その姿はタロットカードの“正義(ジャスティス)”そのものであり、鋭い剣と天秤を手に持つ。
彼は、腐敗した世界の中で、正義を貫くために苦悩する。利権に絡む者たちは狡猾で、彼の存在を再び闇に葬り去ろうとする。敵は強大であり、手を差し伸べる者は少ない。それでも彼は、自分が守るべきもの——未来の希望と理想を信じ、戦い続ける。
この章では、主人公が目の前の問題に対処する中で、どれほどの犠牲を払ってでも正義を守る意志を示す。だが、心のどこかに影が差し始める。それはもう一人の自分、影としての存在が彼に囁き始めているのだ。
第2部:下位のマルクトでの復讐
憎悪の塊として生まれ変わった美しい人の姿は、正義の美しい人と対照的だ。その存在は“悪魔(デビル)”や“塔(タワー)”の象徴に近く、破壊と混乱をもたらすが、それらは、消した側の影の存在意義が具体化されていくタイミングが訪れたに過ぎない。下位のマルクトに生まれ変わった美しい人の影は、異なる次元に生きているのであって、美しい人を消した側と重ならないところにいる。
終章:光と影の統合
上位と下位、二つのマルクトに分かれていた美しい人の魂は、最終的に統合へと向かう。
正義の美しい人は、影の存在が自分自身の一部であることを悟る。そして、憎悪の美しい人もまた、自分の中にかつての光を見出す。それは“節制(テンペランス)”のカードが示すように、調和と統合のプロセスだ。
二つの存在が一つになるとき、美しい人は新しい世界の秩序を創造する鍵を手に入れる。それは単なる正義ではなく、光と影のバランスを保つ新しい神話になると読むことが出来ます。
今の美しい人のソードのクイーン(光)へ
吉川晃司さんと知り合っていたら?みたいな仮定、希望の流れで、生まれ変わったら?というタロット占いになります。