「HSP(Highly Sensitive Person)と鬱は全く異なるもの」と感じる方も多いかもしれません。しかし、ホロスコープを通して見ると、この二つの違いは意外に曖昧な部分があります。それでも、ある程度は区別できるポイントが存在します。
まず最初にお伝えしたいのは、ここで述べる内容は「絶対的な法則」ではないということです。統計的に一定の傾向が見られるものの、「この特徴があれば必ずそうなる」というわけではありません。ただし、特定のホロスコープの配置がある場合、「その傾向が強まる可能性がある」と考えることはできます。
HSPや鬱に関する細かい分析は他の記事でも触れていますが、今回はホロスコープの中でも特に重要な「太陽」と「海王星」の関係性に注目します。
HSPの場合のホロスコープ的特徴
HSPの傾向が強い人のホロスコープでは、以下のような特徴が見られることが多いです。
太陽と海王星のハードアスペクト(90度や180度)
→ 自己同一性が曖昧になりやすく、周囲の影響を受けやすい。感受性が鋭く、環境の変化や他人の感情に敏感に反応する。
土星と海王星のハードアスペクト
→ 理想と現実のギャップを強く感じやすく、現実社会に適応しづらいことがある。社会の中での生きづらさを感じることが多い。
天王星や冥王星とのハードアスペクト
→ 変化に対する不安感が強く、突発的な出来事に弱い。また、トラウマを抱えやすく、それを内面に閉じ込めてしまう傾向がある。
鬱の場合のホロスコープ的特徴
鬱の傾向が強い人のホロスコープでは、以下のような配置が見られることがあります。
太陽と海王星のハードアスペクト
→ HSPと同様に、現実感が薄れやすい。しかし、HSPが環境に敏感に反応するのに対し、鬱の傾向がある人は「自分の存在意義」や「生きる意味」に対する迷いが強くなりがち。
天王星、海王星、冥王星が土星以外のどこかを揺さぶる
→ 例えば、個人のアイデンティティ(太陽)や感情の安定性(月)、自己表現の力(火星・水星)などが大きく影響を受けることがある。
簡単に言えば、HSPも鬱も「太陽と海王星のハードアスペクト」が関わることが多いですが、鬱の場合は「天王星・海王星・冥王星」が個人の安定性を揺さぶる形で関与しやすい、という違いがあると言えます。
月の影響はどう考えるべきか?
HSPや鬱の傾向を考える際、太陽だけでなく「月」の影響も重要です。ただし、今回は月については詳しく触れません。その理由として、以下の点が挙げられます。
月は正確な出生時間がわからないと、位置が正しく把握できない
→ 月は約2.5日ごとに星座を移動するため、正確な出生時間がわからないと、その影響を読み取るのが難しくなります。
月の影響はパターン化しにくい
→ 確かに、月のアスペクトやハウス配置がHSPや鬱に影響する可能性はありますが、それが「一定の法則として成り立つか」というと、そうとは限りません。
→ 例えば、同じ月の配置を持っていたとしても、他のホロスコープの要素(太陽・土星など)が強く働いていると、その影響を相殺してしまうことがあります。
月の影響は時間とともに変化する
→ 一時的に精神的に不安定な状態になったとしても、最終的には月の持つ「安定性」によってバランスが取られることが多い。つまり、一生変わらないわけではなく、時間とともに適応していく可能性が高い。
重要なのは「太陽」と「土星」の影響
最終的に、HSPや鬱の状態を決定づけるのは「太陽」や「土星」の影響が大きいのかもしれません。土星は現実を象徴する天体であり、太陽とともに人生の軸を形成する要素です。
今回の記事では、太陽や土星の「サイン(星座)」や「ハウス」、「アスペクト」については深く掘り下げていませんが、実際にはこれらも非常に重要な要素になります。
したがって、「太陽と海王星のハードアスペクトがある=HSPや鬱になりやすい」と単純に決めつけるのではなく、全体のホロスコープをバランスよく読み解くことが大切です。
まとめ
HSPと鬱の違いはホロスコープ上で明確に区別しにくいが、傾向として見られる特徴はある。
HSPは太陽と海王星のハードアスペクトに加え、土星・天王星・冥王星との影響が見られることが多い。
鬱の場合は、太陽と海王星のハードアスペクトに加え、天王星・海王星・冥王星が個人の安定性を揺さぶる形で関与することがある。
月の影響もあるが、それだけでHSPや鬱を判断するのは適切ではない。
最終的には太陽や土星の資質が、その人のHSPや鬱の傾向を左右する可能性がある。
HSPや鬱のような繊細なテーマをホロスコープで分析する際は、一部分の要素だけで判断せず、全体のバランスを考慮しながら丁寧に読み解くことが重要です。