月のカードの物語タロット占い 、 迷宮の中には、あなたにだけ進む道がある
あなたは、夢のような光の揺らめく世界に立っている。
目の前には、広大な迷宮が広がり、霧がゆっくりと揺れている。
壁は曖昧で、足元の道は一定ではない。進めば変わる。
「どちらに進むべきか?」
その問いに、明確な答えを持つ者はいない。
なぜなら、この迷宮には、全員に共通する道など存在しないからだ。
あなたが一歩踏み出せば、その道が現れ、
立ち止まれば、道は霧の向こうへと消えていく。
多くの者は戸惑い、立ち止まり、正しい道を探そうとする。
けれど、地図は役に立たない。
目に見えるものが真実とは限らない。
むしろ、「正しい道を探そう」とするほど、迷宮の霧に囚われる。
この世界では、先に道があるのではなく、歩くことで道が生まれる。
それこそが「月」のカードが示す真理。
あなたの歩みこそが、あなたにとっての唯一の道。
他の誰かの足跡をなぞることはできない。
誰かの言葉を頼ることもできない。
あなた自身の感覚だけが、あなたを導く光となる。
もしかすると、あなたは今、自分の道を疑っているかもしれない。
「このまま進んでもいいのだろうか?」
「本当に正しい方向に向かっているのだろうか?」
けれど、迷宮はあなたに問いかける。
「本当に迷っているのか?」
立ち止まらなければ、道は続いていく。
振り返らなければ、迷いは生まれない。
あなたが進み続ける限り、迷宮はあなたにとっての世界となる。
霧の向こうには、まだ見ぬ可能性が広がっている。
「月」は、不安や混沌だけの象徴ではない。
そこには、無限の可能性と、まだ見ぬ世界が眠っている。
迷宮の入り口には、ザリガニが姿を現し、あなたの最初の一歩を試そうとしている。
これは、無意識の奥底から湧き上がる直感の声。
恐れずに応じれば、あなたの本能が道を示すだろう。
道の両側には、一匹の犬と一匹の狼がいる。
犬はあなたがこれまでに築いてきた経験や理性。
狼は未知なる衝動や、まだ開かれていない可能性。
どちらかを敵視するのではなく、両者の声を聞きながら進むことで、
この迷宮はあなたの味方となる。
この迷宮は、あなたに何を見せようとしているのか?
それを知ることができるのは、あなた自身だけだ。
さあ、一歩を踏み出そう。
あなたにだけ見える、その道を進むために。