バースチャートの月は、個人の土台であって閉じられた世界です。
月はあらゆる成長の基盤になるので成長していくので、とても大切です。
土台であるからこそ、他を受け入れません。
他者と交流するのは、他の天体の役割です。
月はどこまでも個人のために働きます。
ここが弱いとどんなに素晴らしい成功を収めても
砂上の楼閣です。
個人は、自分を見失ってギリギリの局面にある時、
最後の砦は身体です。
身体を放棄すれば魂はこの世に留まれませんから、その一歩手前の
心が伝える身体の痛みを、存在の拠り所にするのです。
「愛はある」と伝えたいと思った時に、太陽サインが示すような
その人らしい成功の道標も大切ですが、月が脆弱だったら、
精神、肉体の健康すら安定しません。
発展性のない眠りの中で与えられた物語を自動的に
繰り返し続ける月が全ての天体の最終的な受け皿になって
個人に様々なものが伝達されていきます。
願いが叶えば幸せになれるとか、好きな人と結ばれれば、
望んだ仕事に就ければ、様々な幸せ、成功の条件を描いて人は
努力を重ねますが、そういう人ほど月を忘れがちです。
月という身体を忘れて病気になったり、夢を叶えて失ったりします。
太陽の黄道を走る魂が、ある地上の一点をめがけて飛び込んで
肉体を得ます。
身体はこの世に存在するギリギリの砦ですから、苦しくなると
過食等、様々な飲食物、その他の接種物を身体に取り入れたり、
身体そのものに力を加えることで得られる刺激で、存在を
明確にしようとします。
その是非はここでは問いません。
冒頭に話は戻りますが、月は土台であるからこそ他を受け入れない
性質があります。
他を受け入れないということはその人だけの世界なのです。
伝えたいことは、そのギリギリの痛みは、当事者にとっては
本当であるということです。
嘘でも幻でもありません。
ただ他を受け入れない限定的性質なので、その痛みを月レベルのまま
伝えることは出来ません。
月の言葉にならない叫びは、まず水星の力を借りなくてはなりません。
傷みが裏側にあるからこそ、美しさ(金星)、夢(太陽)があって
そして社会に持ち込む段階では、火星、木星、土星と繋がっていきます。
月が痛みを感じるなら、そこに本当のスタートがあるということです。
牡羊座の月
衝動と怒りが抑えられない時、その裏にある「無力感」が痛みの正体。そこに気づいた時、自分を守る術を学び始める。
牡牛座の月
安定が崩れた時、身体の感覚がすべての答えを教えてくれる。心地よさを基点に再構築する力。
双子座の月
言葉が通じない苦しみが、沈黙や不安として現れる。話すこと、伝えることの根源に立ち返る時、癒しが始まる。
蟹座の月
家族や大切な人のことで傷つく時、身体が深く反応する。その痛みが「自分の居場所」の問いを促す。
獅子座の月
承認されないことへの深い傷が、誇りという仮面を剥がす。心の奥にある純粋な願いが再出発の鍵。
乙女座の月
細部へのこだわりが限界に達した時、身体に症状として現れる。完璧さを手放すことで自己受容が始まる。
天秤座の月
調和を保つことが苦痛になった時、身体が関係の重さを背負う。自分の本音に光を当てた時、道が開く。
蠍座の月
裏切りや喪失の痛みが、身体の奥深くに沈む。その深みに触れたとき、魂は変容への扉を開く。
射手座の月
自由を制限されると魂が叫ぶ。逃避ではなく、「なぜここにいるのか」という意味に向き合う時、旅が始まる。
山羊座の月
責任に押し潰されそうな時、重圧の中の「本音」が身体に痛みをもたらす。弱さの肯定が再出発の土台。
水瓶座の月
孤独が身体に染み込むような感覚は、心の声を抑えてきた証。本当の繋がりを求める時、魂は息を吹き返す。
魚座の月
現実逃避の果てに、身体が現実を呼び戻す。夢と現実をつなげることが、魂の使命への回帰となる。