ポイポイ、と鳴く

未完成であることを前提にした詩たち―
まさに、「ポイポイ」と鳴きながら、今、あなたの掌にいる雛たちです。

🐣 詩 1:ポイポイ、と鳴く

ポイポイ、と鳴く
朝の白い机の上で
私は、まだ言葉にならない言葉を
小さなスプーンで
ひとつずつ、渡していく

🐣 詩 2:羽のない詩たちへ

飛べないから
ここに残された
羽のない詩たちへ

あなたの声を
私は聞いている
そして今日も
何かを削って
あなたにご飯を作っている

🐣 詩 3:巣の上の空

まだ空を知らないくせに
あなたは夢で飛ぶ

わたしが見た空よりも
ずっと高く、澄んでいて
あなたの羽がそこに届くよう
わたしは今日も、
何もかも未完成なまま詩を書く

🐣 詩 4:ポイポイは呼び声

ポイポイ、というのは
何かを投げる音じゃない
何かが、
わたしの心の奥をつつく音だ

その音がするたび、
わたしはまた、
新しい言葉を
温めてしまう

🐣 詩 5:雛は世界を知らない

雛は、まだ世界を知らない
それでもポイポイと鳴く
その声が、わたしを呼び戻す

詩の意味も
愛の形も
もうどうでもよくて

ただその声のために
また一行、言葉を生む

ポイポイ占い・本日のカード:カップの3
ポイポイと響く笑い声
忘れていた喜びが、小さな形で戻ってきます
喜びとは、大声よりも、静かに受け取るもの

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