正しさを気にする刺繡職人サラとソードの5の逆位置

目次

1,正しさを気にする刺繡職人サラの物語

2,ソードの5の逆位置

1,正しさを気にする刺繡職人サラの物語

ある町に、刺繍職人の女性サラがいた。サラは、誰よりも細やかで美しい刺繍を作ることで知られていたが、町の人々との会話ではいつも戸惑ってしまう。
ある日、町の女性たちから「サラさん、私たちでこの広場をどう使うか考えているの。あなたの意見も聞かせて」と言われたが、サラはどう答えたらいいのか分からず、「どちらでも良いと思います」と曖昧に答えてしまった。
町の人々は、「サラさんはいつも何を考えているか分からない」「話していてつまらない」と話題にするようになり、サラはその声を耳にしてひどく落ち込んでしまった。

そんな時、サラは町外れに住む祖父を訪れ、「どうして私は人とうまく話せないのでしょうか」と尋ねた。

祖父は、サラの手に一本の剣を渡し、「これはサラの考えや意見を表すものだ。しかし、サラは、この剣を扱う練習をしていないだけだ」と言った。
「どうやって練習すればいいのですか?」とサラが尋ねると、祖父はこう答えた。
「まず、更が何を大切に思うのか、何を楽しいと感じるのかを一つずつ書き出してごらん。そして、それを少しずつ人に話してみるのだ。その剣は、サラが自分の言葉を見つけるたびに少しずつ輝き始めるだろう。」

サラは祖父の教えに従い、日々自分の考えをノートに書き出すようになった。
そして、信頼できると思っている友人に自分の考えを少しずつ話し始めたところ、町の人々との会話が少しずつ楽になり、以前よりは、打ち解けることができるようになった。

2,ソードの5の逆位置

ソードの5は正位置では、しばしば「勝ち負け」「一方的な主張」「他者を省みない態度」を象徴しますが、
逆位置の場合、その意味が微妙に変化します。
逆位置は、「一方的な主張」の裏に隠れた不安や葛藤、または「和解への欲求」「自己主張を避けすぎること」を暗示します。
サラの場合、このカードが逆位置で出たとき、それは「他者に譲りすぎる一方で、内面では自分が正しいと
思っている感情を抱え込んでいる」状態を表している可能性があります。
逆位置のソードの5は、サラが「表面的には妥協しているように見えるが、心の中では不満や違和感を感じている」ことを示しています。
たとえば、職場や友人関係で「自分の意見を言わない方が場が平和になる」と判断して相手に合わせることがあります。
しかし、その背後には「自分の方が正しい」「相手の意見が間違っている」と感じる強い思いがあり、それが内面的なストレスとして蓄積している可能性があります。
この状態では、自分を押し殺している一方で、相手を心の中で責めてしまい、関係にさらなる溝を生むことがあります。
ソードの5の逆位置は、「他者にどう思われるか」を気にしすぎるあまり、自己主張を避けてしまう態度を反映することがあります。
サラは、自分の意見を言うことで相手を怒らせたり、関係を壊したりすることを恐れているかもしれません。
その結果、常に相手に譲るか、自分の意見を曖昧にしたまま会話を終わらせることが習慣になっている可能性があります。
ただし、内心では「どうして自分ばかりが我慢しなければならないのか」といった不満が積み重なっており、
その感情が時折、冷たい態度や言葉として表面化する場合があります。
ソードの5逆位置が示す「一方的な主張」は、必ずしも相手を打ち負かそうとする直接的な行動ではありません。
サラの場合、これは無意識のうちに自己防衛として働き、他者との距離感に影響を与えている可能性があります。
自分の意見を表明しない代わりに、内心で相手を否定し、心を閉ざしてしまい、その結果、相手から「冷たい」
「壁を感じる」と思われ、関係が薄くなってしまうことになります。
サラはこのような疎外感に苦しみつつも、どのようにコミュニケーションを変えていいかわからず、孤立感が深まる状況に陥っていると読むことが出来ます。
ソードの5逆位置は、心の中に蓄積された不満や葛藤が表に出る準備が整いつつあることを示しています。
日記やノートに、自分が「相手に対してどう思ったのか」「本当はどうしたかったのか」を書き出してみることがとても重要なポイントになります。
これは、蓄積した思いの丈を吐き出すのか、我慢するのかの二択ではなく、サラにとっては、普通の人(普通の人のように見える)が持っている気持ちのグレーゾーンを意味します。
小さな主張の練習: 身近な人との日常会話で、あえて「私はこう思う」と意見を伝える練習をしてみると良いかも知れません。
ソードの5逆位置が示すテーマの一つは、「勝ち負けの思考から抜け出すこと」です。
サラが「自分が正しい」という感覚にとらわれすぎると、それが関係の障害になる可能性があります。
勝つためにサラが妥協するのでも、相手が妥協するのでもなく共感を大切にする姿勢が愛を育てます。
サラは、神様では、ありませんから、サラと愛が育ち易い人と共感出来ることを増やしていいけば良いだけです。
その中に好きな人が入っていれば、恋愛に発展することもあります。
共感が少ない状態で恋愛をしようとすると、相手を捕まえるみたいな感覚でアプローチすることになります。
共感性が高い人には、そういう姿勢は、はっきりと見えます。
ソードの5逆位置は、サラに対して「内面的な不満や葛藤を解消し、他者とバランスの取れた関係を築くこと」の重要性を教えています。
ソードの5の逆位置は、勝ち負けではなく、カップのカードのような和解や共感を重視するコミュニケーションを選ぶことの重要性を表しています。

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