1. パニックを起こしやすい人が活躍する困難さ
パニック状態になりやすい人は、他者よりも何かを成し遂げるのが難しいとされています。これは、パニックが思考や行動を制限し、適応能力を低下させるためです。そのため、何よりも先に「パニックを起こさないようにする努力」が必要になります。
★ 活躍するための前提条件
普通の人が努力して成功を手にするプロセスにおいて、パニックを起こしやすい人はまず「安定して物事に取り組む」こと自体に多くのエネルギーを要します。例えば、普通に仕事をするだけでもエネルギーを大量に消費するため、その時点で他者と大きなハンデがあるわけです。
→ したがって、パニックを防ぐことが最優先課題となります。
2. 快楽を得ることが、パニックを防ぐ努力になる
パニック状態を回避するための方法として、「快楽を得ること」が推奨されています。ただし、ここでいう快楽は単なる娯楽ではなく、月(安心)を土台にした快楽です。
★ 快楽の二種類
金星的な快楽
これは一般的に想像される「楽しみ」のこと。
例えば、趣味、美食、社交、恋愛、贅沢な経験など。
楽しみを求める欲望(木星とのスクエア)は強く、人を突き動かすが、それだけでは不安定。
月的な快楽(安心感)
これは「安心」を土台とした快楽。
例えば、安全な場所で過ごす、心が落ち着くルーティンを持つ、人間関係の安定など。
この快楽は、生理的・心理的な安定を生み、パニックを防ぐ。
→ 金星的な快楽よりも、月的な快楽が優先される理由
パニックを起こしやすい人にとって「安心感」は最優先事項。
安心感がなければ、楽しみを得ようとしても崩れやすい。
つまり、「楽しむ」ためにも、まずは「安心」が必要。
3. 「安心」を優先すると、楽しみに手を伸ばせないジレンマ
ここで矛盾が生じます。
安心を確保するために快楽を求めると、楽しみ(遊び)に手を伸ばせなくなる
→ 安心の確保にエネルギーを取られ、自由な楽しみを犠牲にする。
逆に、楽しみを優先すると安心感が崩れやすい
→ 例えば、仕事をせず遊んでばかりいると将来の不安が増し、安心を得ることができなくなる。
★ 安心のための快楽は、普通の人には理解しにくい
パニックを防ぐための「安心の快楽」を得るには、非常に大きなエネルギーが必要です。普通の人が自然に感じる安心とは違い、意識的に作り出さねばならない不自由なものです。
例えば:
決まったルーティンを守る
特定の場所・物に依存する
常に心のバランスを維持する努力をする
これらは普通の人には「当たり前」に見えるかもしれませんが、パニックを起こしやすい人にとっては命綱のようなものです。しかし、それを維持するのに大量のエネルギーが必要になります。
4. 快楽を「自前で用意する」ことの難しさ
パニックを防ぐために、快楽を自前で作り出せる人は優秀だと述べられています。なぜなら:
快楽を作るためには、洞察力・忍耐力・実行力が必要
→ 例えば、安心できるルーチンを確立し、続けること自体が努力を要する。
維持するには他の楽しみを犠牲にする必要がある
→ 人生の多くの時間を「安心を維持すること」に費やす必要がある。
このように、パニックを防ぐための快楽は、普通の人が感じる快楽とは異なり、高度なセルフマネジメント能力を必要とするものです。
5. 病院という「手軽な方法」
これらの努力をしなくても「病院」に頼れば、医師のサポートによってパニックを防ぐことができる。つまり、
自分で快楽を作り出す必要がない
薬や治療で手軽に安心を確保できる
その結果、時間と労力を節約できる
デメリット
自分でコントロールする術を持たなくなる
→ 依存的になり、問題が根本解決しない。
快楽を得る手段が「外部」にあるため、環境に依存する
→ 病院に行けない・医療が提供されないと困る。
6. 「優しさ」はどこから生まれるのか?
「快楽(安心)」が確保されると、心に余裕ができ、他者に優しくなれる。ただし、この優しさは本物なのか?という疑問が生じます。
快楽を補充できると余裕が生まれる → 他人に優しくなれる
しかし、それが自分の意志ではなく、外部の影響(病院・環境)によるものなら、持続可能ではない
7. 選択肢のジレンマ
「自分で快楽を作り出す」道を選ぶ場合
自力で心の安定を確保する努力を続ける必要がある。
それにはエネルギーを使い、他の楽しみを犠牲にすることになる。
しかし、コントロールできる優しさを持つことができる。
「病院などの外部に頼る」道を選ぶ場合
手軽に安心を得られるが、根本的な成長はない。
依存性があり、環境に左右される可能性がある。
8. 結論:ケースバイケースの選択
最終的に、この問題は「どちらを選ぶか」という選択に行き着きます。
自力で安定を作る努力を続けるか
外部の助けを借りながら楽に生きるか
どちらが正解とも言えず、その人の状況や価値観による部分が大きい。しかし、**最も重要なのは「自分で選ぶこと」**です。
「一枚ガラスを隔てた向こうで、楽しむ人々を眺めながら安心を得る」のも、「促成栽培された安心を得ながら楽しみに向かう」のも、自分の意志で選択しなければなりません。
どの道を選ぶにせよ、自分で納得することが大切です。