子供たちの道徳教材になっているものの中に
「かぼちゃのつる」というお話があるのを
ご存知でしょうか。
好き放題に伸びて畑からはみ出したかぼちゃの
つるがトラックに轢かれて切れてしまう筋の
お話です。
畑から出るなとか、畑から出たら殺されるとか、
様々なメッセージに読み取れますが、多くの
人はど根性大根のような意外なところから
芽を出してもちゃんと成長していくことに
感動するのではないでしょうか。
日本の昔話にも個を認めない思想が残酷な展開を
生む物語はありませんが、今は21世紀です。
日本は民主主義国家を名乗っています。
民主主義は個が前提にあるはずです。
不思議なことは、このような物語を与える一方で
世界に通用する人材とか創造性豊かな教育と
いうようなことを標榜します。
子供たちのことを考えれば、どちらかに
してあげないと心が引き裂かれてしまいます。
周囲を徹底的に窺って個性を出さないことを
良しとするなら、その価値観で統一すべきで
社会主義国家になれば良いのでしょうが、
社会に出たら個人責任で結果を出すことが
求められます。
しかし、多くの人は社会主義体制は望んでいない
はずですから、かぼちゃのつるを畑に戻してくれる
誰かがいて、そこで沢山の実をつけるような
物語であって欲しかったと思います。