曖昧な依頼が来た瞬間、頭が固まる人の中で起きていること

先が見えないと不安になるのは、弱さではない
「これ、いい感じにまとめてもらえますか?」

そう言われた瞬間、頭が止まることがあります。

何を基準に「いい」と言うのか。
誰に向けて、どこまでやれば合格なのか。
締切はあるのに、輪郭がない。

曖昧な依頼を受けたとき、
手が動かなくなる。

初めての分野を任されたとき、
まずは全体像を掴もうとして、調べることに時間を使いすぎる。

人間関係でも同じです。
相手の意図が読めない。
今どういう距離感なのか分からない。
何を求められているのか見えない。

そういう状態が続くだけで、
不安が増えていく。

「ちゃんと理解してから動きたい」
「全体が見えてから手をつけたい」
「失敗しないように準備しておきたい」

それは真面目さでもあります。
責任感でもあります。

でも、なぜか疲れる。

この話は、
その疲れの正体についてです。

今回扱う固定点

今回扱う固定点は、これです。

「先に見通せないと危険」

見通しが立たない状態を、
無意識に“危険”とみなしている位置。

ここに立っていると、
曖昧さそのものがストレスになります。

問題は、能力が足りないことではありません。
むしろ逆です。

考える力があり、
先を読む力があり、
準備を怠らない人ほど、
この位置に立ちやすい。

見通しを立てることは、これまであなたを守ってきたはずです。

先に想定する。
準備する。
失点を防ぐ。

それで成果を出してきた経験がある。

だからこそ、

見通しが立たない=危険

という感覚が、強くなる。

吸い込みが始まる瞬間

この固定点が強くなるのは、こんな場面です。

・目的がはっきりしない依頼が来たとき
・「ざっくりでいい」と言われたとき
・正解が複数ありそうなとき
・初めての領域に入ったとき
・期限があるのに情報が揃っていないとき
・相手の意図が読めないとき

見通しが立たない。
判断材料が足りない。

その瞬間から、頭は全体像を求め始めます。

「まず全体を理解しよう」
「全体の構造を掴まないと危ない」
「抜け漏れがあったらどうしよう」

ここで不安が出てきます。

不安そのものは、悪いものではありません。
むしろ、警報としては優秀です。

でも、この位置に立っていると、
不安が“行動の許可証”になります。

見通しが立つまで、動けない。
不安が消えるまで、着手できない。

ブラックホールの仕組み

ここから、消耗が始まります。

見通しを立てようとする。
情報を集める。
想定を増やす。
リスクを書き出す。
パターンを考える。

でも、全体像は最初から完全には見えません。

情報は足りない。
前提も変わる。
状況も動く。

すると、

「まだ足りない」
「まだ見えていない」
「このまま動くのは危険」

と感じる。

見通し不足 → 不安 → さらに見通しを求める → さらに不安

循環が始まります。

やがて、動く前に疲れる。

あるいは、
不安がピークに達して、
一気に飛ばしてしまう。

準備しすぎるか、
怖くて飛ばすか。

どちらにしても、消耗が残る。

消耗の正体は「曖昧さ」ではない

ここで起きている消耗は、
曖昧な依頼そのものが原因ではありません。

曖昧さを「危険」とみなしている位置から来ています。

曖昧さは、本来ただの情報不足です。
でも「危険」と結びつくと、
全体を把握するまで安心できない。

全体を把握するまで、行動が保留になる。

その間ずっと、不安は常駐します。

能力がないのではない。
慎重すぎるのでもない。

全体の安全を確保してからでないと動けない位置に立っている。

それだけです。

立ち位置を縮める

ここで必要なのは、
楽観的になることではありません。

「なんとかなる」と思い込むことでもない。

やるのは、もっと小さいことです。

見通しを、全体ではなく「次の一手」に縮める。

全体像が見えなくても、
次の一歩だけ見えていればいい。

たとえば、

・まず相手に目的を一つ確認する
・仮のたたき台を出してみる
・一部分だけ着手する
・期限を区切って途中で見直す

全体の安全を求めるのではなく、
一手分の安全を確保する。

ずらしの最小文

全体の見通しがなくても、次の一手の見通しがあれば動ける。

ずれた後に起きること

この一文を置いても、
不安がゼロになるわけではありません。

曖昧さは残る。
未知も残る。

でも、動き出せる。

動き出すと、情報が増えます。
情報が増えると、見通しが育ちます。

最初から全体を見ようとすると重い。
一手ずつだと、軽い。

不安を消してから動くのではなく、
動きながら不安を小さくする。

その順番に変わるだけで、消耗はかなり減ります。

ここでやっていること

ここでやっているのは、
勇気を出す話ではありません。

固定されて消耗している一点から、
ほんの一歩ずれるための言語化です。

曖昧な依頼がなくなるわけではない。
未知が消えるわけでもない。

ただ、あなたが立っている位置が、少し変わる。

最後に

もし、
見通しが立たないだけで手が止まっていたなら、

今日すべてを理解しなくても大丈夫です。

全体を把握しなくてもいい。

ただ、

「次の一手は何か」

それだけに縮めてみる。

全体の安全ではなく、
一手分の安全。

そこまで落とせたなら、
もう十分です。

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