彼の物語(誰も知らない本当の時刻)

彼は、絶対に独立するつもりだった。

そのための準備のために用意した自室で亡くなった

状態で発見された。

彼を予定よりも早く消してしまった連中は、18日未明

前後に運び込むつもりだったけれども、彼のマンション

の前は、マスコミが陣取っていて、とてもではないが、

そうするとは、不可能だった。

彼は、かなり早い段階で危険な状態に陥っていた。

そして彼が自身で用意した部屋に放置された。

危険なものを飲まされ、投与され、暴行され瀕死の彼を

彼をマンションに運び込む時間まで放置したのだ。

後数時間戻せたらと考えた人間もいたようだが、すでに

遅く、そのような問題ではなかった。

彼の亡くなった場所の説明は、巧妙に隠されることに

なったのだが、一つだけ明らかになったのは、彼が本当に

亡くなった正確な時間を誰も知らないということである。

彼は、放置されて行き倒れるように亡くなったのだ。

放置した連中は、彼が18日まで持つとは、思っていなかった。

しかし勢いでやり過ぎてしまった結果、起こってしまった

事態を扱いかねたのだ。

何もかもが中途半端になることで、計画された以外のこと

だけが、積み重なっていった。

放置せずに病院に運んでいれば助かったとは、言い切れない

けれども孤独に野垂れ死にするようなことには、ならなかった

かも知れない。

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